鍵を落とせば悪用のリスクが高まります。
しかし、時には鍵を落としていなくても他人に住居への侵入を許してしまう場合もあるのです。
例えば、あなたが集合住宅や賃貸物件に住んでいるケースで考えられる第一候補が大家さん。
あまり考えたくはないものですが、居住するマンションを管理する大家さんに留守の最中に無断で侵入される事態が実際に見受けられました。
大家さんによる侵入で考えられるパターンとして最も多いのが「点検」です。
特に火災報知器の点検、水道の点検は住民が在宅している際に行われる必要があります。
中には法的な観点から必ず行わなければいけない点検もあり、住民との都合がどうしても合わないことに焦りを感じた大家さんが勝手に侵入してしまうのです。
点検やその他の事情を理由として大家さんが住宅に侵入して良いかと言われると、そうではありません。
賃貸物件でも住民が許可していない状態での侵入は「住居侵入罪」に問われます。
つまり、犯罪として取り扱われるのです。
具体的には“懲役三年以下、または十万円以下の罰金”が課せられます。
不当な理由での侵入は住居侵入罪に問われますが、侵入が法律の観点で許される場合もあります。
それはガス漏れや火災など他の住民にも危害が及ぶ場合、若しくは中で人が倒れていると間違いなく判断できるほど緊急性が高い場合です。
少なくとも、住居の点検といった大家さんの都合で住民の許可なしに合鍵を利用して侵入することは許されていません。
マンションの大家さんや管理人さんは有事の際に対応できるようにスペアキー、若しくはマスターキーを保有しています。
例えば住民がマンションの鍵をなくしてしまった際に、とりあえず住居に入るために大家さんからスペアキーを借りるというケースは珍しくありません。
大家さんが能動的に使用することはほとんどありませんが、そのような理由から所有をしているものです。
同じマンションでも分譲マンションの場合は管理人や大家さんがマスターキーとして合鍵を持っていないケースが見受けられます。
最近では需要が低いため賃貸でもマスターキーを所持していないケースも珍しくありませんが、基本的にはマンションの一部屋を購入した場合の鍵の管理は家主に任される場合が多いのです。
賃貸マンションに居住している場合は、合鍵を持った大家さんに無断で住居に侵入されてしまうトラブルが起こる可能性があります。
しかし、賃貸とはいえ住民が了承しない侵入は立派な犯罪です。
少しでも違和感を覚えたら専門家に相談しましょう。
最近は管理人や大家さんが合鍵やマスターキーを所持していないケースも見受けられます。
住民は入居の前に全ての鍵の所在を確認し、鍵の取り扱いに関する規約を漏れなく確認する必要があるのではないでしょうか。